■レッスンについて
音学館レッスンQ&A
Q:ピアノ教室を探しています。近所には音楽(ピアノ)教室がたくさんありますが、正直なところ、なにを基準に選べばいいかわかりません。大手楽器店の音楽教室チェーンとどこがちがうのでしょうか?
A:確かに新しい街に引っ越してきたり、周りにピアノを習うお友達がいなかったりすると、情報も限られていて、迷ってしまいますよね。
また、教室によって指導方針も違うし、個人の音楽教室だとなおさら、門をたたくことに始めは躊躇してしまうかもしれませんね。
でもご心配なく。ピアノの先生はウエルカムな人がおおいものです。勇気を持って見学にいらしてください。
個人レッスンとは
レッスン形態は、音学館では基本的に個人レッスンです。
楽器のおけいこが他のおけいこごとと決定的に異なるのは、先生が一人のために時間を割く、というところです。
それほど楽器を習得するということは大変なこと、ということをご理解ください。
一人ひとり、能力や得意、不得意があります。それを皆いっしょに指導することは、不可能に近いといえるでしょう。
長年習ってきたにもかかわらず、進度が遅い、という場合、グループレッスンや丁寧な指導を受けてこなかった場合が多いのです。
何事も基礎が肝心。大切な基礎固めをする時期にこそ、正しい楽譜の読み方、演奏の方法を身につけることは後々、ピアノ(音楽)を続けていくうえで大きな財産となるでしょう。
Q: グレード試験や資格がもらえると、就職や進学に有利なのでは?
A:確かに将来、その系列の楽器店に就職する予定があるなら有利でしょう。大きな組織の中で効率よく運営するためには致し方ないことです。
しかしそうでない場合は、残念ながらあまり意味はありません。日本で検定試験がブームなのは今に始まったことではありませんが、その結果に満足してしまうことこそ問題なのではないでしょうか。
また、資格を持った教師にしても、演奏能力と指導能力というのは必ずしも比例しません。相性の問題もありますから実際に習う先生に会って指導方針を伺い、体験レッスンなどしてもらって自分の目で判断されるのが一番確実かと思われます。
☆いずれにしても、大切な入門の時期、ご面倒でもぜひ見学や体験レッスンを受けにいろんなピアノ教室へ出向かれたらいいと思います。
Q:そろそろ幼稚園にも慣れてきたので自宅で私(親)が息子にピアノの手ほどきをしたいと思います。でも実は私も子供のときにバイエルで挫折しているのであまり自信はないのですが。。
A:幼稚園に慣れてきたころというと、お子様は3,4歳ですね?
それくらいですと、まず音遊びや手遊びからだんだんピアノの鍵盤へ・・・といった導入の仕方が望ましいと思います。大好きなお母さんとピアノで遊べるなんてすばらしいことだと思います。
但し、まだ手も小さく、骨も柔らかい時期なのであまり無理なことをさせようとすると変な癖がついてしまうことがありますのでご注意を。
子供というのは吸収がいいので一度悪い癖がついてしまうとそれを矯正するのに同じ時間を要することがよくあります。ですから、音遊びの時期が過ぎたらできれば専門家に任せたほうが後々楽になるでしょう。
Q:最近、子供に「どうしてピアノを習わなくちゃいけないの?」と聞かれ、困ってしまいました。簡単な曲くらい弾けるようになればいいかな、と軽い気持ちで習わせ始めたので、困ってしまいます。
A:軽い気持ちで習わせると・・
これもよく聞く声ですが、こういった場合、たいてい他にもいくつか並行して習い事をさせている、といったケースが多いものです。毎日お稽古事をたくさんしすぎて子供がSOSをだしている場合もあります。
「英語がしゃべれたら・・・」「○○ができたら・・・」と親が軽い気持ちで習わせるというのは、子供にとって本当に幸せなのでしょうか。
音学館では、入会のときに必ず本人に、「本当にピアノ習いたいの? お稽古ごとを始めるってことは、いろんなことを我慢しなくちゃいけないんだよ。お友達に誘われてもレッスンの日には断らないといけないし、おうちで練習もしないといけないんだよ。できるかな?」と聞くと、たいてい「うん、できるよ!」という答えが返ってきます。
つまり、ピアノに限らず、習い事を始めたら、それに対して本人も親も責任を持つ、ということです。親が「お月謝を払っているんだから、あとは先生にお任せ」というスタンスは、子供はすぐにかぎとってしまいます。水泳や体操など、家で復習したり準備しなくてもいい習い事は別ですが、宿題や家での練習に関心を示してあげる、という親の姿勢は子供にも伝わることでしょう。
続けることの難しさ
また、同時に、どんなお稽古事にせよ、「始めるのは簡単、続けることの難しさ」を子供に教えることも大切なのではないでしょうか。
現代社会、学校や仕事が忙しく、なかなか練習時間がとれないのは皆同じです。そのなかで、いかに調整してレッスンや練習に時間を割くか、というのは本人(と協力してくれる家族)の意志にかかっています。
今の子供はキレやすい、とよく言われます。それは、なにも子供だけが悪いのではなく、便利な環境を追求した大人たちが、大切なことー我慢とか努力―を教えることを怠ってきたからではないか、と思います。
しかし、子供のときによい習慣を身につければ自信となり、長い将来、必ずプラスになることがあるでしょう。
礼儀を身につけるということ
今や塾や集団で習うお稽古ごとはコンビ二化している、と痛切に思います。先生はパートタイムで配置換えや転職が多く、「生徒たちにも慕われていい先生だったのに。。。」と悔やんでも、大きな組織では致し方ありません。
また、集団で指導していると、一人ひとりにどうしても丁寧に礼儀を教える、ということは二の次になっているのではないでしょうか?
そういった意味で、礼儀を重んじるのはお茶やお花、武道といったいわゆる日本古来の稽古事だと気づかされます。結局は指導者の裁量にかかってくるのですが、音学館では楽しい雰囲気の中で「ごあいさつ」「やっていいこと、悪いこと」「言葉遣い」が自然に身につくよう、率先してお手本を示したいと思っています。
芸を身につけるということ
私は楽器を演奏できる、ということは日本語のほかにもう一つ、使える言語が増える、ということに近いと思っています。
なぜかというと、音楽を楽しむことはたいていの人ができるでしょうが、演奏の方法を学ぶ、つまり楽器を習うということは、なにげなく「心地いいなぁ」と聞いていた音楽が良くも悪くももっともっと理解できるからです。
そして、言葉が通じない相手(それは外国人だったり病人だったりする)にも、演奏で気持ちを表現することだってできる。こんなすばらしいことってなかなかないのではないでしょうか。
Q:ここ数年、ピアノを習わせていますが家で練習しようとしません。注意するとケンカになってしまい、困っています。どうすればいいでしょうか?
A:命令しない
この手の質問は、おうちの方からの相談で一番多いものです。そしてまた、一番難しい問題でもあります。
といいますのは、これは各ご家庭の問題でもあるからです。「ピアノ練習しなさい」と「勉強しなさい」という命令句はほとんど同じように使われているとさえ感じます。このように命令されてピアノや机に向かう子供は10人中いったい何人くらいいるんでしょう。
親としては助かりますが、素直に始める子ばかりというのも気持ち悪くないでしょうか? たいていの子ども達は反発するはずです。つまり、この言葉は「百害あって一利なし」の言葉だということを覚えておいてください。
環境作り
ではどうすればいいか?やはりもっとも大切なのは『環境』でしょう。「夕ご飯前の30分はピアノの前に座る」「週末の午前中はピアノタイム」と無理なく続けられる練習時間を、お子様と決めておくのです。決して大人が勝手に決めてはいけません。決めたことは必ず実行するようにします。
子供が忘れて遊んでいたり他のことをしているときは声がけしてもいいかもしれません。「そろそろ時間じゃない?」「自分で決めたものね」あくまでやさしく声をかけてあげましょう。
また、他に兄弟がいる場合、他の子がTVを見ていたり遊んでいる横でひとりピアノに向かう・・というのはつらいものがあります。皆それぞれ「宿題をする」「本を読む」「お手伝いをする」とすることを決めておくといいでしょう。
家で練習しているときは楽しい雰囲気で
そして、ここが重要なところですが、子供がピアノに向かっているときはとにかくほめてニコニコしていること。
ピアノを練習する→お母さんが怒る(注:お母さんは注意しているつもり)というパターンになっていませんか?
人はだれしも心地いいと感じることはまた繰り返したい、と思いますが、不快なことはまた経験したいとは思わないですよね。
ピアノを練習する→お母さんがニコニコする。この図式が脳にインプットされればしめたもの。レッスンでは前回のレッスンからどれくらい練習したか、練習の方法は正しかったかなどをチェックしますので、ご心配はいりません。
そういうふうに親子関係がスムーズにいっていれば注意も聞き入れやすいものです。
ただし、言い方には注意してくださいね。「そこ、違うでしょ!」では「せっかく練習してるのに。。もうやだ!」となってしまいます。あまりに気になる場合は「あれぇなんか変だよ。」「おかあさんはさっきの演奏の方が好きだなぁ」とのんびりかまえて意見してみましょう。
ピアノ(音楽)を嫌いにさせてしまっては元も子もありません。くれぐれも冷静に。
お家の方も興味を持って
ピアノ教室に通わせておけば自動的に上手になる、と思うのは大きな誤解です。何事もそうですが、才能以上に大切なのはやはり日頃の努力だからです。
音楽というのは語学の習得と同じで環境がよければどんどん吸収して短い期間でも早い上達を望めるでしょうし、逆に長年やっているからといって環境が整っていなければ、身につかないことも少なくないのです。
具体的には・・・
1 本人が練習するとき、時々家族がつきそう (いつもでなくてかまいません)
簡単なことならアドバイスしてあげる
知っている曲ならいっしょに歌ってあげたり手拍子でリズムをとって演奏に参加してあげる。
「お母さんにも教えてくれない?」というと得意になって教えてくれるかも(但し、大きくなってくると照れが出てきて難しいかもしれません)
2 心地いい音楽を家族で楽しむ
a: 週末に家族でコンサートに出かけてみる・・
いまやクラシックコンサートは敷居が高くて・・・なんてことは今は昔。お子様向け、ご家族向け、大人の初心者向け・・などいろんな趣向を凝らしたコンサートが年中開催されています。
情報はネットや専門誌でももちろん探せますが、地元の広報誌や新聞でも掲載されています。
また、音学館でも各人のニーズ(「ピアノのコンサートに行きたい」「気軽に行けるコンサートは?」)にあった催しをご紹介しています。
b: ラジオやTVで音楽番組を楽しむ
NHK−FMでは平日、週末問わず様々なジャンルのクラシックや心地いい音楽を楽しむことができますし、TVでは本格的なピアノレッスン番組から往年のエレキブームの時代に青春を謳歌したお父さんたち向けに楽しいギター講座も開かれていますし、今年生誕250周年を記念してか、モーツァルトの特集も多いですね。
「10日間でピアノをマスター」する企画や一人の演奏家の人生をその音楽とともに追うドキュメンタリー番組も思わずひきこまれてしまうおもしろさです。
Q:連休や長い休みなど、休みがあるときほど練習できそうなのに、ついだらだらと過ごしてしまい、いつもより練習しないことが多いです。
A:もうすぐ夏休みですね。夏休みといえば私もおじいちゃんおばあちゃんのところへ行って田舎の暮らしに驚いたり、うだるような暑さの中、てくてくと歩いて近所の市営プールへ行ったことが思い出です。こんななんでもないことが日常ではできないんですよね。
今のお子様たちは日常、お稽古事や塾にしばられているからなおさらです。家でごろごろすることも、たまには必要です。普段できない自由な時間を過ごして充電したらまた日常に戻ったとき、今まで以上にがんばってくれることでしょう。
・・・とここまでは、普段、比較的きちんとがんばっている方のお話。普段、宿題や練習をサボりがちな方はやはり休みのときに短期集中でまきかえしましょう!
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